トイレの神様

昨年末の紅白歌合戦でも歌われた植村花菜さんのヒット曲「トイレの神様」。 本家の歌は亡くなったおばあちゃんとの思い出をつづった曲でしたが、今回は……(苦笑)。
イラスト
編集部
……タイトルがパクリですね。
稲 垣
ええ、パクリです(笑)。今回はトイレに特化した話をしようと思いまして。
日本の現代の住宅に付いている便器の多くは洋便器。和式の便器を付けられる方は、まったくと言っていいほどいらっしゃいません。不特定多数が使われる店舗でさえ、最近は洋便器が増えてきました。国内で便器を作っているメーカーはTOTO、INAX、パナソニック、ジャニスくらいでしょうか? 
他にあったらごめんなさい。そういったメーカー営業さんと話をすると、本来クレームではないのだけれど、クレームとして呼び出されることが多々あるそうです。
本来クレームではないクレーム……使い方の問題なんです。特に男性の。
 実際、僕等の会社でもあるのですが、便器が接している床が変色してきた、水が漏れているのではないか?というクレームです。しかし、洋便器はその構造上、便器自体が割れていたりヒビが入っていなければ水が漏れ出す可能性はありません。
では何故便器が接している床が変色するのか。考えられることは二つ。一つ目は、防露(ぼうろ)便器を使っていない。便器は陶器です(最近はプラスチック製もありますが)。
ですので表面は冷たいです。その冷たい便器表面に湿気の高い暖かい空気が触れてしまうと便器の表面で結露を起こします。開放型暖房機を使ってしまうとサッシの硝子にびっしり水滴の付く現象と同様です。結露しにくい構造の便器が防露便器です。
このタイプの便器を使っていないと表面に水滴が付き、それが流れて床に達し、変色してしまうということですが、新潟県内では防露便器が普通に使われているはずですのでこちらの可能性は低い。
そうすると床の変色の原因は概ね一つに絞られます。現代の住宅に男性専用の小便器が付いているお宅は少ないですよね。
編集さん、ご自宅の洋便器でどうやって用を足してます? 小さいほうの。
編集部
シモの話ですか(笑)? え〜っと普通に立って用足ししてますけど……?
稲 垣
洋便器はその構造上、排泄物を流す水が貯まっていますよね。男性が立った状態で用を足してしまうと当然ながら水しぶきがあがります。
見えていなくても上っています。どのくらいの範囲に飛び散ると想像しますか?
 便器内で収まるくらい?  厳密に言うと身長とか水の貯まりの浅い深いとか角度とか(笑)も関係してくるそうなのですが、天井まで飛び散る場合もあるんだそうです。天井ですよ!
編集部
嘘でしょ? ホントに? 僕んちの床は濃い色だから正直自分で用を足していると便器の廻りの床に点々と跳ね返り(笑)があるのはわかっていましたが……。
居酒屋とかの小便器の前に『もう一歩前へ!』なんて書いてあるのは良く見かけますが、洋便器にはそんな現象があるとは……。
稲 垣
そうでしょ。男性がいわゆる「立小便」を洋便器ですると、便器の廻りの床や壁には間違いなく跳ね返り(笑)が飛び散っています。
けれど便器の廻りの床だけが変色するのはそのせいだけではありません。男性ならお判りいただけると思いますが、便器を若干外すことないですか(爆笑)?

立つか座るか、それが問題だ(笑)

稲 垣
大袈裟に外すわけではなく、便器の縁にお小水を掛けてしまったりしたことあるでしょ?
いわゆる命中しなかったつてヤツ(笑)。飛び散った水にもアンモニア成分は含まれていますが、便器を外れたお小水はアンモニア成分そのものだと言ってもいいくらい。
実際、メーカーさんが変色した床を試験試薬でテストすると、100%アンモニア成分が検出されるそうです。床の変色の原因は水分とアンモニアです。ですから男が悪いんですよ。
そもそも男性が洋便器に、立った状態で用を足すのはアジア人だけだそうですよ。
欧米の男性諸氏はちゃんと座って用を足すんだとか。
トイレを綺麗に保つためにも座って用を足す方がいいです……。う〜ん……そう言われましても……(笑)って感じですが(笑)。
 ちなみに我が社でアンケートを取ったら(笑)、自宅の洋便器で立って用足しするのはたった二人でした。自分勝手なB型の二人(笑)。ですので、ひょっとしたら既に少数派なのかもしれませんよ。
編集部
ええ、そう言われましても……(笑)面倒じゃないですか……。けれどこの紙面を家内が読んだら、座って用足ししろって言われちゃうのは既に見えています(笑)。立って用足し派が実は少数? B型? 僕はB型じゃないですが、稲垣さんは確か……(笑)?
稲 垣
床をタイルにしたりビニール系の床材にしたりしたとしても、変色が起こらないだけで用足しスタイル(笑)が同じであれば飛び散っていることに変わりはないわけです。
それにトイレは裸とまでは言いませんが、それに近い姿にならなければならない場所。
物理的にも視覚的にも冷たくはしたくない場所ですよね。僕等がお勧めしているムクの床の中ではバンブーフロア、つまり竹のフロアが水には比較的強いです。
温泉旅館の脱衣場によく張ってありますよね。まあ、竹をムクの木と呼んでいいのかどうかは意見が分かれるところですが、自然素材であることには間違いありません。ただ、アンモニアに強いかどうかは……わかりません。
 前回に引き続いて『住まい講座』の内容としてどうなのか?と思いながら話をしてきましたが、住まい方という論点で言えば間違ってないと思っています。本当はオシッコの話しだけではなく、車椅子使用に対応したトイレの必要な広さとか、掃除のしやすいトイレの造り方とかトイレの話を広げていきたかったのですが、紙面の関係でオシッコ話しに終始してしまいました(笑)。
またの機会に、再びトイレに特化したお話をさせていただきたいと思います。
家の中で一番狭い場所ですけれど家族全員が使うトイレ、だからこそ快適に使いやすくしないといけません。そこはとても奥が深く、神様が居られる場所なのです。
編集部
無理矢理タイトルにこじつけましたね。まさか「オシッコの話」なんてタイトル打てないですもんね(笑)。