わかりやすい住宅版エコポイント

素人では理解するのは難しいと言われる住宅版エコポイント。 今回は建築の専門家として、わかりやすく噛み砕いて説明してもらました。
イラスト
編集部
前回の紙面で住宅版エコポイントについて軽く触れていただきました。家電エコポイントと同様に住宅版エコポイントも一般の方に周知の事実だと思っていましたが、あまりそうでもなさそうです。僕の周りの方々は住宅版エコポイントの名前は知っていても、一体何をどうすればエコポイントがもらえるのかというところまでは知らないようです。そこで限られた紙面ではありますが、できるだけわかりやすく説明をお願いできますか?
稲 垣
住宅版エコポイント、基本は家電版と同じです。環境に優しく(エコロジー)、家計に優しい(エコノミー)エコハウスを新築する場合、あるいはエコハウスへのリフォームをする場合、国の予算でエコポイントを発行します。まずは、なぜ国の予算から個人資産へポイントという形で一種の補助金を出すのでしょうか? ここを曖昧にしておくと住宅版エコポイントの大枠が見えにくくなってきます。国の狙いは

1.国として、地球温暖化、CO2削減、省エネ効果の高いエコな住宅普及を狙う。
2.国としての景気刺激策。景気の浮揚効果を期待しています。


結果、エコハウス新築やエコリフォームは通常より高額になる事が予想されますが、コストアップ分をエコポイントで埋めていくという狙いがあるようです。まずはエコハウス新築の概要を。ここで細かい説明をしたら尚更わかりにくくなると思いますので、さわりだけご説明します。ただ、現在の新築住宅ならほとんどすべての住宅がエコポイント対象になるはずだと僕は思っています。 新築住宅でエコポイントをもらう条件

○トップランナー基準、木造の場合は次世代省エネ基準をクリアすること
ほら、もうわかりにくいでしょ? でも省エネ性能の高い住宅なんだという認識程度で構わないと思います。

○上記の基準をクリアしていることを証明する  
住宅性能表示制度、長期優良住宅、融資制度のフラット35S等の第三者認証の適合証明が必要。昨今の新築住宅なら適合して当然だと僕は思います。

○ポイント数
規模や工法によらず、一律30万ポイント(要するに30万円分)。

○工事期間  
2010年12月31日までに工事開始で2011年6月30日までに工事完了。  

新築住宅の概要はこれくらい。何度も申し上げますが現在の新築住宅なら適合するのが当然のことだと思っています(それほど高いハードルではないと思います)。
概要の理解だけで十分
編集部
うん。なかなかわかりやすくてよろしい(笑)。ではリフォームの方は?
稲 垣
おありがとうございます(笑)。次はエコリフォームでエコポイントをもらう条件。細かく説明すればするほどわかりにくくなりますので概要です。

○断熱改修工事
1.今の窓を断熱性能の高い窓に取り替える。あるいはガラスだけをペアガラスに取り替える、もう一つの手段が今の窓の内側にもう一枚サッシを取りつけて窓を2重にする(改修後に次世代省エネ基準を達成すること)。

2.壁や天井に断熱材を施工する。実はここが今回のエコポイントで一番声高に宣伝されている部分です。壁や天井の断熱改修は大掛りな工事になりますが、窓だけの工事であれば数時間で終わります。実は断熱性が高くないお宅でも、冷暖房の熱が逃げていく総量のおよそ5〜6割は断熱性のない窓からなんです。熱的弱点になる窓を改修する工事です。

○バリアフリー
上記の窓の断熱化・天井、壁等の断熱改修工事をしたお宅に限り、同時にバリアフリー工事をすれば対象となります(バリアフリー工事合計で上限5万ポイント)。

○基準の証明
サッシメーカー等の才能証明書で証明する。

○窓の断熱化
基本的に1箇所のみの窓の断熱化でもOK。ガラスの交換で2000〜7000ポイント。内窓追加やサッシの交換では7000〜1万8000ポイントがもらえます(窓の大きさによってポイント数は変わります)。

○窓以外の断熱化
窓の断熱化以外にも、外壁断熱化10万ポイント、屋根(天井)断熱化3万ポイント、床(基礎)断熱化5万ポイントがそれぞれもらえます。

○ポイントの上限
リフォームでもらえるエコポイントの合計の上限は30万ポイント。 それを超える分の工事をしたとしても上限の30万ポイントしかもらえません。

 概要はこれくらいなんですよ。別に難しく考える必要なんてまったくないです。たまに勘違いされてる方もいらっしゃいますが、今回は“住宅版”エコポイントですから、例えば事務所や店舗は対象外ですのでお気をつけください。また、エコリフォームによって発生したエコポイントは『即時交換』という手段を使って、本来エコポイント対象外の工事費に充当することができます……う〜ん、わかりにくいですね。例えば編集さんがエコリフォームをして上限の30万ポイントをもらえる権利を手にしました。でもせっかくリフォームするならシステムキッチンを入れ替えたいと奥さんが言い始めます。そこで、手にしたエコポイントを商品券等に替えるのではなく、『即時交換』制度を使って追加的に発生した費用に充当できる制度です。エコハウス新築でもエコリフォームでもポイントの申請は素人さんでは無理だと思われます。申請は建築屋さんにお願いしたほうが絶対にいいです。用意していただくのは運転免許証のコピー程度の本人確認ができるものだけですね。
編集部
家電のエコポイントに比べて、住宅版エコポイントは金額に対する還元率が少なくないですか?
100万ポイントとかなら景気も刺激されるのでしょうけれど……。
稲 垣
その通りかもしれません。でも新築で考えても30万円は大きいし、リフォームで考えればもっと大きな金額になります。30万ポイントという金額に賛否両論はあるようですが、温暖化抑制という方向を向いてぶれていないのは理解できます。
 住宅版エコポイント。紙面だけではお伝えすることは不可能です。少しでもご興味があればお気軽にお問い合わせください。社員全員、一生懸命勉強しました(笑)。