さて……大掃除

今回の住まい講座は、いつもと趣向を変えて、 年末の大掃除についてお話してもらいました。
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今年も残りわずかになりました。そんなわけで、今回は皆さんのお住まいのお手入れ方法やその手段についてお話させていただきます。大掃除のお役に立てば幸いです。  ハウスクリーニングのプロに話を聞くと「その日の汚れはその日のうちに落す」ことが基本なんだそうですが……そんな時間があれば誰も苦労はしないわけで、紙面が許す限りあまり知られていないお手入れ方法をご紹介していきます。

■フローリング

最近は無垢材のフローリングが増えました。
一口に無垢材フローリングのお手入れと言っても、その塗装方法の違いで手入れの方法が違います。一番多いウレタン塗装の場合、ホームセンター等で売っているフローリング用のワックスを塗っていただくのが一番簡単ですし費用も掛かりません。
実はいわゆる「張物」の合板複合フローリングもウレタン塗装の無垢フローリングと手入れ方法はほぼ同じです。ただ、ワックスは「塗装」だと思ってください。
塗りむらがない程度に薄く延ばすのです。そして「塗装」であれば当然なんですが、乾くまで上がらない。面倒なようですが、このワックス塗りをするのとしないのとではフローリングの寿命は大きく違います。
 そして自然塗料系のオイル仕上げの無垢のフローリングでも、一番お勧めは米ぬかで磨いてもらうこと。牛乳を薄めても代替品になるのですが、無垢である限り水分は嫌いますのでやはり米ぬかが一番お勧めです……が、そんな労力を掛けたくないと言う方は米ぬかや植物から抽出したワックスがありますのでそれを使用してください。
塗り方はワックスによって違いますが、愛情込めて優しく磨いてあげれば後の輝きが断然違います。また、無垢の床材の中で杉や桧の針葉樹系の柔らかい樹種であれば、多少の傷や凹みはその部分に水分を含ませるだけで完全とは言えずともある程度は復元することがあります。

■畳の日焼け跡の漂白

1リットルの水にミカンなどの柑橘類の実(皮でなく食べる所)を5〜7個入れて煮込み、冷やした煮汁で雑巾を固く絞って畳を拭きます。完璧には復元できなくともある程度は元に戻ります。
が、この方法はイ草の畳表にしか通用しないのでご注意を。
ご自宅の畳表がイ草かどうか不明な時はこの方法は避けてください。
   また、余談ですが畳に醤油等をこぼした時は、直接雑巾では拭かずに小麦粉か塩(ベビーパウダーのようなものでも良いそうです)をこぼした部分に山盛りにし、水分を吸い取らせた後に掃除機で吸い込む方法が一番だということです。
ペットの糞尿には、フローリングの場合もお酢で拭き取るのが一番いいそうです。

■キッチン、洗面台、お風呂

三者に共通するのがクロムメッキの水栓金具。蛇口ですね。洗剤かすや垢などでくすんだ蛇口を一番キレイにするのは歯磨き粉です。
不要になった歯ブラシに歯磨き粉で蛇口を磨いてあげれば、ピカピカの蛇口に生まれ変わります。
お風呂や洗面台の鏡は洗剤で磨いた後、お父さんの髭そり用のシェービングフォームで仕上げ磨きすると曇りにくくなります。
 お風呂でいえば一番厄介なのがカビですよね。タイル目地やユニットバスのコーキング部分、当たり前ですが掃除のしにくい所にカビは発生します。
浴室のカビ取り剤の多くはカビを除去しているのではなくてカビを漂白しているってご存知でした? プロに聞いてもお風呂のカビは一番厄介で本気でキレイにしたいのなら、お風呂だけプロに任せてみてもいいかもしれません。
 流し台はカウンターがステンレスか人造大理石の物かで手入れの方法は大きく違います。ステンレス製の流し台は基本的に使用後の水分を小まめに拭き取るのが一番の長持ちの秘訣なんですが、それ以上にステンレスも金属である限りは錆びます。
鉄のような赤錆は浮きませんが、例えばステンレス流し台に空き缶などを長時間放置しますとステンレスのほうが錆び始めます。鉄鍋や鉄包丁でも同じ理屈で、若かりし頃、化学の授業で習った「イオン化傾向」が金属によって違うため、異種金属が触れ合うとどちらかが錆びてしまうということです。まぁ、僕は化学の授業が毛虫の次に嫌いでしたのであまりここは深く説明できません(笑)。
 油でべっとりなキッチンの換気扇には、専用の強力な洗剤はありますが、その洗剤の行き着く先は海だと思うと使用を躊躇してしまう方も少なくないはず。
そんな時は通常の台所洗剤をティッシュに浸らせ、ティッシュを汚れの酷い部分に貼り付けていく。要は洗剤を含ませたティッシュでパックするんですね。
ティッシュが乾いてきた頃に普通に洗ってあげればかなりの勢いでキレイになります。
これは浴室(ユニットバス)の垢や石鹸かすで汚れた壁や風呂椅子、洗面器にも使える方法です。人造大理石のカウンターでは基本的にはスチールタワシや研磨粉のようなものはご法度とされてきました。が、最近は変色部分や傷ついた部分を目の細かいサンドペーパーで擦って再生させるという考え方のキッチンメーカーもあります(実際に名前を挙げると先駆者はYAMAHAですね)。
キッチンの場合は使用説明書を頂いているはずですので、その指示通りにお手入れしてくださいね。

■大掃除の定番・ガラス拭き

ガラスクリーナーを吹きかけてタオルで磨く……これではキレイにならないんですよね、実際のところ。ガラス面に水分が残っているために繊維が残ったり、ほこりを吸い寄せてしまって、キレイにしたつもりでも結局乾いた布で二度拭きしなくてはなりません。
そこで濡らした新聞紙でガラスを磨いた後、乾いた新聞紙で拭き取るって方法があります。
新聞の印刷インクの油分が汚れを落とし、さらに汚れをつきにくくします。
でも本当に一番楽なのはプロもやってる方法でスクイージーと言う道具。何のことはない車のワイパーみたいな代物です。普通に洗剤で水ぶきした後、スクイージーで水分を寄せ集めるわけです。簡単ですしキレイになります。ホームセンターで売ってます。
なお、ガラスの掃除は晴れた日より雨で湿度が高い方が汚れを落としやすいそうです。
 と、思いつくまま羅列した形になってしまいました。僕の知り合いに化学洗剤は一切使わないという方がいます
。様々な洗剤に使用されている界面活性剤は健康障害を起こしたり、最終的に海を汚染するから。と言うのがその理由なんだそうです。
 お風呂の湯垢は体を洗う石鹸で十分落ちるし、台所用洗剤はお米のとぎ汁を使用する。
お米のとぎ汁には油分やたんぱく質が含まれているから十分洗剤の代用になりうるんだそうです。
そしてしつこい汚れには重曹。
たしかにそのお宅の重曹で磨かれたステンレス製のキッチンはいつもピカピカです。
 愛着の我が家、年末に一度ピカピカにしてやってはいかがですか?

さて、大きな地震に再び襲われた中越地方。
平凡であることのありがたさを僕自身再認識した平成19年が間もなく終わります。
来年こそはなにもない平凡な一年であることを祈りつつ、本年の「稲垣の住まい講座」を締めさせていただきます。
 よいお年をお迎えください。