雑学“神々の木”

 先回までどちらかと言うと堅い話が続きましたので、 今回は少し軽めのお話を。雑学としてお読みください。 『へェ〜』と思っていただけたらそれで構いません。 写真でご覧いただけないのが残念ですが、想像してみてください。

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世界一背の高い木

かつて世界で一番背が高かった木は、アメリカ・カリフォルニア州にあったレッドウッド(学名セコイアメスギ)。1991年に暴風雨によって倒れてしまいましたが、そのレッドウッドは『ダイアビルジャイアント』と呼ばれ、樹齢は1600年。

直径およそ8m、樹皮(表の皮)の厚さは75cmにもおよび、高さは驚くなかれ118mもありました。 35〜40階建てのビルの高さに匹敵します。 現在も生き続ける木で一番のノッポは、同じくカリフォルニアにあるレッドウッドで、『シャーマン将軍の木』と呼ばれる樹高84mの木です。シャーマン将軍の木の枝で、一番太い枝は直径2mもあります。 枝ですよ、枝! 40坪程度の家なら、60軒分の材木を『シャーマン将軍の木』1本でまかなえます。 

世界一長寿の木「エターナルゴッド」

ギネスブックにも載っている世界一長寿の木は、世界一背の高い木と同様、レッドウッド。 『エターナルゴッド〜永遠の神』と名付けられたその木の高さは72.5mですが、樹齢は……7000年です。1977年に倒れてしまった『イーオンツリー』もやはりレッドウッドで、樹齢6200年だったようです。また、カリフォルニアのブリスルコーンパインと言う松科の樹木は、樹齢4000年を超すものがゴロゴロあるそうです。 レッドウッドは水に強く、かつては外壁やデッキ材として重宝されていました。  現在、レッドウッドの多くは国立公園に指定された森林の中で育っていますが、カリフォルニア周辺のレッドウッドは国立公園に指定される前に、95%がすでに切り倒され、建築用材として消費されてしまったそうです。 最近でも、国立公園外のレッドウッドが極少量流通していますが、人間の都合だけで有史以前からこの地球に存在した木々を切り倒し続けたのですから心が痛みます。

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話はとんでもなく飛んでしまいますが、皆さんは『ノアの方舟』『ノアの大洪水』を御存知ですか? 神様から大洪水の予言を受け、大きな木製の方舟を作り、すべての動物をつがいで乗せ、種の保存を仰せつかったノアはそれを実践した・………という話です。   『ノアの大洪水』は、およそ4500年前の言い伝え。その大洪水で方舟に乗っていなかったすべての動植物は死滅したと伝えられていますが、実際には大洪水は起こりませんでした。 なぜなら、それ以前の木々が現在も存在するからです。

ですが……(もっと話はそれます)、トルコの山の中で、おおよそ4000〜4500年前に建造されたであろうタンカー並みに大きな木造船の痕跡が見つかっているのもまた事実です。
真実かどうかは私などではわかりませんし、私はキリスト教徒でもありません。けれど、ノアの大洪水は確かにあった……それを生きぬいた木々が現在も存在すると思いたいのです。

世界一太い木「メキシコにあります」

世界一太いのは、バオパブという円周が45mもある木です。 円周で言われてもイメージ出来ませんよね。では一番太いところで切ったとしたら、その切り株の面 積は畳にして何畳くらいあると思われますか?  ざっと100畳です。小学校のプールが約50畳くらいですからその太さは驚きです。

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絶滅した「レバノン杉」

レバノンにかつてあった、杉という名の松科の木です。古くはツタンカーメン王の棺や世界最古のピラミッドの中からも、レバノン杉で造られた埋蔵物が発見されています。真っ直ぐ伸び、太く育ち加工も容易だったレバノン杉は、建築や太古の工作物の構築のため、すべて切り倒され絶滅した………と思われていました。ですが、最後のレバノン杉の森が発見されました。 森と呼ぶにはあまりに小さな森。 一辺250mの正方形の中に、レバノン杉が30数本生き続けていました。どれも樹齢数千年は経っているそうです。

日本の中にも世界的に見て基調な巨木があります

 鹿児島県屋久島。島全体がまとめて世界遺産登録されている世界で唯一の島です。 そこにある屋久杉。中でも『縄文杉』と呼ばれる杉です。 学説は色々ある様ですが、一番古いとされる学説で樹齢おおよそ7200年。新しいとされる学説でも4000年です。 縄文時代以前の杉だから『縄文杉』です。他にも屋久島にはウィルソン株と呼ばれる屋久杉の切り株があります。1586年、豊臣秀吉が京都・方向寺建築のために切ったとの言い伝えがあります。 アメリカのウィルソン博士により、発見されたのでこの名が付けられました。 ウィルソン株は樹齢およそ3000年、円周32m。株の中は空洞になっており、広さは10畳ほどもあります。ウィルソン博士によりそれが木の切り株だとわかるまで、地元では洞窟だと思われていたそうです。

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日本は広葉樹の国?

日本は太古の昔、広葉樹の国でした。ブナやナラ、ケヤキ、桜、栗やクルミ、ダケカンバなど、秋に美しい紅葉を見せてくれる落葉広葉樹の国でした。しかし、広は生育が遅いのが難点。しかも昔は乾燥の技術がなかったため、建築用材として使用するには伐採後何年も乾燥しなければならず、木材を商品回転率という目でみると、とても割に合うものではありませんでした。

そして、林業を商売として成り立たせるために、杉やヒノキの針葉樹が広葉樹にとって代わります。
青森の白神山地などは世界遺産に登録されたブナの原生林です。
『限りある』わずかに残った日本の太古の原生林を大切にしたいものです。

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床柱から枝が生えた!

最後はぐっと身近で、実際に私が経験した笑える話を。以前、関東の大きな材木屋サンに見学に行った時のこと。売り物であるはずの松や桜の床柱から枝が生えているのを見ました。 流通の回転率が比較的悪い、いわゆる「銘木」と呼ばれるような高価な木材は、立てかけて保管するとき、元(根っこの方)を上に、末(木の枝の方)を下にして建て掛けるのが通 常です。 しかし、それを若い従業員の方が逆に立て掛けたので、枝が生えてきて売り物にならなくなったと社長サンはご立腹でした。なぜ元(根っこの方)を上に建て掛けるのが一般 的かおわかりになりますか?  元を下(地面)に向けると地面や土間コンクリートの水分を吸い上げてしまい、成長を続けてしまうのです。伐採されてもなお、生き続ける材木の神秘です。

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